Crystallizer は、ピッチシフティングと逆再生エコーを組み合わせて楽器のサウンドを変貌させる、異次元のクリエイティブエフェクトです。Eventide H3000 の革新的な「Reverse Shift(リバース・シフト)」アルゴリズムをベースに、グラニュラー・エコー・スライス処理、クラシックなピッチシフト、新機能を融合した、インスピレーションを刺激するツールです。
1980年代後半のラジオを聴いていた人なら、Eventide H3000 の “Crystal Echoes” エフェクトを耳にしたことがあるでしょう。そのサウンドは一度聴いたら忘れられず、シンプルなコードが壮大なサウンドスケープへと変貌するこの効果は、数え切れないほどのレコードで使用されてきました。
この独特な技法を手に入れたミュージシャンやエンジニアたちは、最小限のギターラインが瞬時にシンフォニックなテクスチャーへと変わることに驚き、すぐに虜になりました。80年代のアンセムからアンビエント、インディーロック、チルウェーブに至るまで、無数の楽曲でその効果が聴けます。そして今、それをあなたの手にも。
Soundtoys の創業者たちは、実際に H3000 のアルゴリズム設計に関わっていたため、その冷たく煌めくトーンを忠実に再現するまで一切の妥協はしませんでした。
Crystallizer サウンドの核心には、昔ながらのピッチシフティングが存在します。
現代のピッチシフター(たとえば Soundtoys の Little AlterBoy など)は、自然で滑らかな変換のために高度な数式アルゴリズムを用いますが、オールドスクールなデバイス(たとえば Eventide H910 Harmonizer)では、シンプルなリサンプリングとクロスフェード手法が使われており、その結果としてピッチ変化時にグリッチーなアーティファクト(音の破片のようなノイズ)が生じます。このレトロな手法こそが、Crystallizer の“80年代的未来感”の魅力に欠かせない要素なのです。
オリジナルのサウンドを忠実に再現しただけでは終わりません。さらに一歩踏み込み、MIDI同期やオートメーションによる細かいコントロールを追加。
内蔵のゲートとダック機能により、エコーの発生をより動的に制御可能。派手すぎる効果も自在にコントロールできます。
さらに、ローパス・ハイパスフィルターを使えば、煌びやかなシマー系から、濃密で暗い音のベッドまで幅広い質感を作り出せます。
つまり、クラシックな効果に、現代的な利便性と自在な調整機能を加えたのが、このCrystallizerです。
「グラニュラー・エコー・シンセサイザー」と聞くと、少し難しそうに思えるかもしれません。でもご安心を。200種類以上のプリセットを収録し、ジャンル別に整理してあるので、楽曲に最適なスタート地点がすぐに見つかります。
繊細な処理から完全にサイケデリックなサウンドまで収録されているため、ぜひ実験してみてください。
さらに奥深く編集したい場合でも、自分だけのシグネチャー・プリセットを作るための十分な調整項目が用意されています。